Web原稿の数字・単位・記号の表記ルール|間違えやすい例を校正目線で解説


Web原稿の数字・単位・記号の表記ルール|間違えやすいポイントを校正目線で解説
EDITORIAL STYLE GUIDE

数字・単位・記号を整えるだけで、原稿はもっと読みやすくなる

Web原稿の数字・単位・記号の表記ルール 間違えやすいポイントを校正目線で解説

「1ヶ月」と「1か月」、「10%」と「10%」、「Webサイト」と「WEBサイト」。 どれも意味は伝わりますが、同じページの中で表記が混在すると、 読み手には小さな違和感が残ります。 本記事では、Web原稿を作成・入稿・校正するときに押さえておきたい 数字、単位、記号の基本ルールを、制作現場で起こりやすい例とともに整理します。

校正・校閲 用字用語 Web制作

INTRODUCTION

表記の「正解」より、まず統一が大切

数字や記号の表し方には、法律や規格で厳密に定められているものもありますが、 一般的なWeb原稿では、媒体や企業ごとの表記ルールに委ねられている部分も少なくありません。 そのため、ある表記だけを見て「必ず誤り」と断定できないケースがあります。

ただし、同じページ内で「1か月」「1ヶ月」「一カ月」が混在していれば、 内容が正しくても原稿全体が粗く見えます。 重要なのは、読者が迷わず読めること、 そして制作・更新時に同じ判断を再現できることです。

POINT

表記ルールは「唯一の正解を探すもの」ではなく、 媒体内で判断をそろえ、読みやすさを保つための基準です。

01

NUMBERS

数字は算用数字を基本にする

横書きのWeb原稿では、数量を表す数字は「1、2、3」のような 算用数字を使うのが一般的です。 スマートフォンの小さな画面でも数値を認識しやすく、 価格や期間、手順などを素早く把握できます。

推奨例

  • 3つのポイント
  • 10日間限定
  • 第2回セミナー
  • 約150名が参加

混在例

  • 三つのポイント
  • 10日間限定
  • 第二回セミナー
  • 約百五十名が参加

慣用表現まで数字に置き換えない

すべての漢数字を算用数字に直せばよいわけではありません。 「一部」「一方」「一般的」「一人ひとり」「二度とない」など、 熟語や慣用表現の一部になっている数字は、 漢数字のままにしたほうが自然です。

用途 基本表記
数量・順序・年月 算用数字 3名、第2章、2026年
熟語・慣用句 漢数字 一部、一方、一石二鳥
固有名詞 正式表記を優先 三越、四国、二十四節気

4桁以上の数字には桁区切りを入れる

金額や件数などの大きな数字には、 3桁ごとに半角カンマを入れると読みやすくなります。 「1000000円」より「1,000,000円」のほうが、 金額を瞬時に認識できます。

ただし、西暦、郵便番号、製品番号、電話番号などには通常、 桁区切りのカンマを入れません。

CHECK

1,000件は読みやすい表記ですが、 2026年を「2,026年」とは書きません。

02

CHARACTER WIDTH

全角・半角を統一する

Web原稿では、英数字は半角を基本とするケースが多く見られます。 全角英数字は文字幅が大きく、 URLやメールアドレス、型番、コードなどでは 入力ミスの原因にもなります。

特別なデザイン上の意図がなければ、 英数字は半角にそろえると管理しやすくなります。

BEFORE

2026年7月、WebサイトをOPENしました。

AFTER

2026年7月、WebサイトをOPENしました。

英字の大文字・小文字も表記ルールの一部

「Web」「WEB」「web」のどれを使うかは、 媒体方針によって異なります。 一般名称として本文で使う場合は「Web」、 見出しやデザイン上の強調では「WEB」とするなど、 用途別のルールを決める方法もあります。

一方、「WordPress」「JavaScript」「iPhone」「YouTube」のような サービス名・製品名は、公式表記を確認して記載します。

見た目をそろえるために「Wordpress」や「Youtube」と変えてしまうと、 固有名詞として不正確になります。

03

DATE / TIME / MONEY

日付・時刻・金額の書き方

日付は省略しすぎない

お知らせやキャンペーンページでは、 「7/28」「7月28日」「2026年7月28日」など 複数の書き方があります。

同じ年の予定を並べるだけなら「7月28日」でも十分ですが、 公開後も長く残る記事では、 年を含めたほうが情報の鮮度を判断しやすくなります。

短期掲載のバナー 7/28(火)まで

表示領域が狭く、掲載期間が明確な場合。

お知らせ・記事 2026年7月28日(火)

後日参照される可能性がある場合。

時刻は24時間表記か12時間表記かを統一する

「午後3時」「15時」「15:00」は、 いずれも意味は通じます。

ただし、イベント情報の中で 「午前10時〜17:00」のように混在すると不自然です。 Webサイトでは、営業時間や予約枠を一覧化しやすい 「10:00〜17:00」の形式がよく使われます。

範囲を示す波線には「〜」と「~」があり、 見た目が似ています。 コピー&ペーストで混ざりやすいため、 CMSへ入稿する際は検索機能で確認すると安心です。

金額は「円」「税込」「税別」の位置をそろえる

価格表示では、「1,100円(税込)」「税込1,100円」 「1,000円+税」など複数の形式があります。

商品一覧では表記位置がばらつくと比較しにくいため、 サイト全体で形式を統一します。 税込・税別の区別は、デザインだけでなく 情報の正確性にも関わる重要な確認項目です。

推奨 11,000円 (税込)
要統一 ¥11,000 (税込み価格)
要確認 10,000円 +TAX

04

UNITS

単位の表記と数字との間隔

単位は、原稿の種類によって表し方が変わります。 一般消費者向けの記事では「10センチ」「500グラム」と カタカナで書くと読みやすく、 仕様表や技術資料では「10cm」「500g」のような 単位記号が適しています。

大切なのは、対象読者と掲載場所に合った表記を選ぶことです。

表記例 一般向け原稿と仕様情報を分けて考える
本文・読み物

幅は約10センチ、重さは約500グラムです。

商品仕様

幅:100mm / 重量:500g

画面・デザイン

横幅:860px / 余白:24px

数字と単位の間にスペースを入れるか

日本語の一般的なWeb原稿では、 「10kg」「20cm」「100%」のように 数字と単位を続けて書くことが多く、 半角スペースを入れない運用が扱いやすいでしょう。

一方、専門分野の規格や学術的な文書では、 数値と単位記号の間にスペースを置くルールが 採用されることがあります。

つまり、「10kg」と「10 kg」のどちらかを 機械的に正解とするのではなく、 媒体の目的と社内ルールに従う必要があります。

ただし、「10 kg」と「20kg」が 同じ表の中で混ざる状態は避けます。

パーセント記号は半角を基本に

Web原稿では「50%」のように、 半角数字と半角パーセント記号を組み合わせるのが一般的です。

「50%」と全角記号を使う方針もありますが、 ページ内や表組み内で混在させないことが重要です。

割引率や達成率では、数字だけでなく 「最大」「約」「以上」「未満」などの条件語も確認します。

!
「最大50%OFF」と「50%OFF」は意味が異なります

数字や単位だけを整えても、 条件語が抜けると情報そのものが変わります。 校正では表記統一と同時に、 元資料との突き合わせが必要です。

05

PUNCTUATION / SYMBOLS

記号・約物の使い分け

句読点、かっこ、コロン、スラッシュ、波線など、 文章で使う記号類は「約物」と呼ばれます。

約物は文章の構造や情報の関係を示す大切な要素ですが、 使いすぎると画面が散らかり、 読みにくくなることがあります。

「 」

かぎかっこ

発言、引用、語句の強調、記事タイトルなどに使用します。

『 』

二重かぎかっこ

かぎかっこの中の引用、書籍名、作品名などに使用します。

( )

丸かっこ

補足、読み仮名、税込表記、曜日などに使用します。

スラッシュ

並列や区切りに便利ですが、 多用すると関係性が曖昧になります。

「・」と「/」を同じ役割で混在させない

項目を並べるとき、 「企画・設計・制作」と「企画/設計/制作」の どちらも使えます。

中黒は語句を自然につなぎ、 全角スラッシュは項目の区切りを強く見せる傾向があります。 見出しではスラッシュ、本文では中黒といったルールを設けると 整理しやすくなります。

感嘆符・疑問符の後ろのスペース

日本語の文章で「!」や「?」の後に文が続く場合は、 全角スペースを入れる組版ルールがあります。

ただしWebでは、デザインやCMSの仕様から スペースを入れない媒体もあります。 「本当に必要?まず確認しましょう」のような文章を採用する場合も、 サイト全体で統一されているかを確認してください。

ハイフン、マイナス、長音符は別の文字

「-」「−」「ー」「―」は似ていますが、 それぞれ役割が異なります。

電話番号や英単語の区切りにはハイフン、 負の数にはマイナス記号、 カタカナ語には長音符を使います。

見た目だけで判断してコピーすると、 検索やデータ処理で別文字として扱われる場合があります。

ハイフン
マイナス
長音符
ダッシュ

06

WEB WRITING

Web原稿特有の注意点

URL・メールアドレス・コードは勝手に全角化しない

URL、メールアドレス、HTML、CSS、製品型番などは、 一文字の違いで機能しなくなることがあります。

原稿作成ソフトの自動変換によって、 半角の引用符が別の記号に変わったり、 ハイフンが長いダッシュに置き換わったりすることもあります。

URL https://example.com/contact/

MAIL info@example.com

CSS max-width: 860px;

スマートフォンでの改行を想定する

「10,000円(税込)」や「2026年7月28日(火)」が 不自然な位置で折り返されると、 情報が読み取りにくくなることがあります。

ただし、原稿側で大量の改行や空白を入れて調整すると、 画面幅によって表示が崩れます。

改行位置はHTMLとCSSで制御し、 本文には不要な空白を入れないのが基本です。

表記統一は検索・置換だけで終わらせない

「下さい」を「ください」に一括置換すると、 「申込書を下さい」のように、 本動詞として漢字表記が適切な箇所まで 変更してしまう可能性があります。

「1ヶ月」を「1か月」にそろえる場合も、 商品名や引用文、固有のキャンペーン名称は 変更できないかもしれません。

検索・置換は表記揺れを見つけるためには便利ですが、 最終判断は文脈を確認して行います。

特に公開済みページの修正では、 リンク、計測タグ、構造化データなど、 本文以外を誤って変更しない注意も必要です。

STEP 1 基準を決める

表記ルールや既存ページを確認します。

STEP 2 揺れを探す

検索機能で候補を洗い出します。

STEP 3 文脈で判断

固有名詞や引用を含めて確認します。

STEP 4 実画面で確認

PCとスマートフォンで表示を見ます。

FINAL CHECK

Web原稿の入稿前チェックリスト

7 POINTS
  • 数量は算用数字に統一されているか

    慣用句や固有名詞は除いて確認します。

  • 半角・全角が混在していないか

    特に英数字、パーセント、かっこを確認します。

  • 日付と時刻の形式がそろっているか

    年、曜日、コロン、範囲記号も対象です。

  • 金額と税表記が正確か

    税込・税別、カンマ、円記号の位置を確認します。

  • 単位の表し方が統一されているか

    cm/センチ、g/グラムなどの混在を探します。

  • 似た記号が別文字になっていないか

    波線、ハイフン、マイナス、長音符を確認します。

  • 実画面で折り返しを確認したか

    PCだけでなくスマートフォン表示も確認します。

SUMMARY

読み手が迷わない表記を、サイト全体で共有する

数字・単位・記号は、 文章の中では小さな要素に見えます。 しかし、価格、期間、サイズ、日時など、 読者の判断に直結する情報を担っています。

表記がそろっていれば情報を素早く理解でき、 サイト全体にも整った印象が生まれます。

まずは「算用数字を基本とする」 「英数字は半角にする」 「価格は税込表記にそろえる」など、 頻繁に使う項目からルールを決めましょう。

判断に迷う例を蓄積し、 自社用の表記ガイドへ更新していくと、 執筆者や担当者が変わっても 品質を維持しやすくなります。

原稿の校正は、誤字脱字を直すだけの作業ではありません。 読者が情報を正確に、気持ちよく受け取れる状態へ整えることも、 大切な役割です。


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